Wedge REPORT

2020年5月31日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

入場料金の値上げは難しい

Q 観客を増やせないことで、入場料を値上げして収入を確保することになるか、それとも値上げはできないか。

矢内 廣(やない・ひろし)中央大学在学中の1972年にTBS報道局でアルバイトしていた仲間とともに、映画などエンタテインメント情報を網羅した月刊情報誌「ぴあ」を創刊。大学卒業後の74年に、ぴあ株式会社を設立し社長に就任し現在に至る。84年4月から日本で初めてオンラインネットワークによるチケットサービス「チケットぴあ」をスタートした。長野冬季オリンピック以降、全てのオリンピックにおいて、観戦チケットの国内販売業務を日本オリンピック委員会より受託し実施している。2003年5月には東証一部に上場。70歳。福島県出身。

矢内社長 興行は再開しても、ソーシャルディスタンスが求められるため、座席を市松模様のようにした売り方をしようという考え方も出てきている。Jリーグではそういう座席販売をするソフトウエアを開発しようとしているという。しかし、50%の入場者での興行ではビジネスとしては成立しない。プロスポーツの場合はテレビ放映権の収入があるが、それが見込めない公演の場合はさらに厳しい。観客の数が半分ならば入場料金を倍にすれば計算は合うが、お客の心理として受け入れられるとは思えない。今後料金をどうするか、各社、各団体で相談しているが、値上げを決めた話は聞いていない。

Q コロナ禍でライブ公演がなくなった時に、ミュージシャンの中に演奏風景をオンラインで配信する動きが出てきたが、これは今後も定着するか。

矢内社長 公演がないためフラストレーションがたまったアーティストが自分でファンなどに配信するのが増えている。最初は無料で配信し、定着したら有料課金するものもあるが、これが果たしてビジネスとして成立するかどうかは未知数だ。ライブ公演が見られないからオンライン配信へのニーズがあるが、コロナが終息したらどうなるのか。一方で、観客を十分に集められない中で、入場券と有料ライブ配信とセットで売るビジネスは新しいやり方として根付く可能性があるかもしれない。

  
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