6月に入ると、スウェーデンの高校は卒業のハイシーズンを迎えます。
卒業式の当日。卒業生は学生帽とスーツ/白いワンピースで身を飾り、朝から皆でシャンパンを楽しんだ後(18歳から飲酒合法)、式に参列します。式が終了すると、彼らは一斉に校舎から飛び出し、待ち構えていた親族や友人の前で学生帽を空に放って、卒業の意思を誇示するのです。
高校の卒業イベントには、他にも街中パレードやダンスパーティー、家族や友人との集まりがありますが、その内容は年々華やかになっているようで、Svensk Handelの調査によるとコストも高額化しています。卒業式に着る服や学生帽の他に、卒業祝いのプラカード、ダンスパーティー用の正装や参加費、車代、諸所のパーティー代などが主な出費で、昨年の一人当たりの平均合計金額は2年前比+1500krの1万6500Kr(約17万7400円。1kr=約10.75円、6月1日現在)でした。
統計好きのスウェーデン人
このように、何かにおいて統計をとるのが好きなスウェーデン人。「○○平均」というコラムは、新聞でも常連です。また、そうした数値を集めて割り出した「Medelsvensson(メーデル スベンソン)」という名称も、この国では頻繁に耳にします。これは、いわゆる「THE スウェーデン人」、つまり典型的な国民を比喩する際に使われるものです。1951年にラジオ番組で初めて登場したのですが、例えば第一代Medelsvenssonは、その名をGösta Gustavsson(ヨスタ グスタブソン/当時の最も一般的な名前)といい、年齢は46歳(当時の男性平均年齢)。43歳の妻と子供二人の4人家族だったそうです。
では、現在のTHE スウェーデン人は一体どのような人物なのでしょうか。統計中央局の資料(Statistik Centralbyrån, Statistik årsbok för Sverige 2012)を中心に、Medelsvenssonを一家族になぞらえて見てみましょう。
(数値は全て調査が行われた2009年、2010年のものをそのまま記載しています。また、これはあくまでも平均値の収集なので全体として辻褄が合わないこともあると思いますが、予めご了承ください)。
「THE スウェーデン人」の家族構成
まず、一家は姓をJohansson(ヨーアンソン/スウェーデン人に最も多い姓:全国で258785人/以下、データの詳細は最終ページを参照)と言います。父親はLars(ラーシュ)、母親はMaria(マリア)、そして男児Simon(シーモン)と女児Emma(エンマ)の4人家族です。
Larsは1970年生まれの40歳、既婚です。最終学歴は高校で、現在の職はシステムエンジニアです。