2人の女性黒人副大統領候補の反応
野党民主党の大統領候補を確実にしたジョー・バイデン前副大統領の副大統領候補として有力視されている2人の女性黒人議員は、トランプ氏のタルサ選択をどのようにみているのでしょうか。
まず、激戦州フロリダ州の下院議員でオーランドの元警察署長であったバル・デミングス氏(63)です。デミングス氏は、自身のツイッターに「タルサは米国の歴史の中で最悪の人種差別の暴動が起きた場所だ。6月19日の大統領の演説は、全ての黒人に対するメッセージである。同じことがさらに続く」と書き込みました。同氏は、タルサで生じたような黒人虐殺事件が今後も米国社会で発生するだろうというトランプ大統領の「脅迫」のメッセージであると、言いたいのでしょう。
一方、民主党大統領候補指名争いを戦った元検察官のカマラ・ハリス上院議員(55)は、自身のツイッターにトランプ大統領が「白人至上主義者のためにウエルカム・ホームパーティーを催している」と投稿しました。ウエルカム・ホームパーティーとはタルサで開催予定のトランプ集会を指しています。ハリス上院議員は、トランプ氏が支持基盤である白人至上主義者がホームパーティーに参加するのを歓迎していると揶揄したのです。
トランプと同陣営の「ウイルス感染免責」
オクラホマ州では、
そこで、トランプ大統領と同陣営は、タルサの大規模集会に登録する際、新型コロナウイルスに感染しても責任を問わないことを参加条件にしました。「ウイルス感染免責」にしたのです。
これには、トランプ大統領と同陣営の教訓があります。首都ワシントン郊外で20年2月26日から29日までに開催された保守派の年次総会「保守政治行動会議(シーパックCPAC:Conservative Political Action Conference)」で感染者が出たからです。トランプ氏はこの集会で演説をしています。
筆者はシーパックに登録していましたが参加せずに、研究の一環としてバーニー・サンダース陣営に入り、南部サウスカロライナ州の州都コロンビアで戸別訪問を実施しました。その後、シーパックの主催者である米保守連合(ACU: American Conservative Union)から新型コロナウイルス感染に関する情報がメールを通じて複数回送られてきました。当時、シーパックに参加するための登録箇所に、「ウイルス感染免責」の記述はありませんでした。