海野素央の Love Trumps Hate

2020年5月29日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

(FoxysGraphic/gettyimages)

 今回のテーマは、「16年と20年米大統領選挙の相違点」です。共和党の現職ドナルド・トランプ大統領と民主党のジョー・バイデン副大統領の一騎打ちとなった2020年米大統領選挙は、投開票日(11月3日)まで5カ月余りになりました。

 20年の大統領選は4年前とどこがどう違うのでしょうか。本稿では、今回と前回の大統領選挙の相違点を整理してみます。

失業率と経済再生

 第1に失業率と経済再生です。16年大統領選挙の投開票日(11月8日)直前に発表された10月の失業率は4.9%でした。これに対して、20年4月の失業率は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、14.7%まで上昇しました。スティーブン・ムニューシン米財務長官及びラリー・クドロー国家経済会議委員長は、失業率はさらに高まるとコメントをしています。

 トランプ大統領にとって経済再生は再選の鍵であることは言うまでもありませんが、問題は「11月8日の投開票日まで」という期限付きである点です。トランプ氏はそれまでにコロナ前の好調な経済に戻す必要があります。

 これに対して、バイデン前副大統領にはこの期限がありません。バイデン氏は失業率の高さを批判し、経済再生の具体的なプランを有権者に提示できればよいのです。これはバイデン氏にとって、大きなアドバンテージです。

 トランプ大統領は、残り5カ月で経済再生を実現するのは難しいとみているのか、最近になって「今年は『偉大への過渡期』である」と修正し、「来年は最高の年になる」と強調しています。

どちらの好感度が高いのか?

 第2に好感度です。4年前の大統領選挙ではトランプ・クリントン両氏の好感度が低く、「嫌われ者同士」の戦いと揶揄されました。一方、今回の大統領選ではトランプ・バイデン両氏の好感度において明白な差異が見られます。

 米クイニピアック大学(東部コネチカット州)の世論調査(20年5月14-18日実施)によると、バイデン前副大統領に「好感が持てる」と回答した有権者は45%、「好感が持てない」は41%で、「持てる」が4ポイントリードしました。

 一方、トランプ大統領に「好感が持てる」と答えた有権者は40%、「好感が持てない」は55%で、「待てない」が15ポイントも上回りました。バイデン氏が好感度において優位に立っています。

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