郵便投票はバイデンに有利か?
熱意のレベルは投票に出向くか否かを予測するうえで、重要なバロメーターになります。加えて、地上戦を戦うボランティアの数にも多大な影響を与えます。
民主党大統領候補指名争いで、筆者が研究の一環として今年3月に中西部ミシガン州デトロイト及びオハイオ州コロンバスのバイデン選対に入ったとき、同選対はボランティアの運動員が不足していました。
米大統領選挙では投票日の10~14日前になると、各陣営は投票率を高めるために、「GOTV(Get Out The Vote):投票に行こう」という運動を行います。12年米大統領選挙で南部バージニア州フェアファックスにあったオバマ選対は、GOTVの期間に豊富なボランティアの運動員を使って、標的になっている全ての有権者の家を訪問しました。
これに対して、16年米大統領選挙において中西部オハイオ州クリーブランドのクリントン選対では、ボランティアの運動員が足りず、GOTVの間にリストに名前が挙がっている有権者の家を回りきることができなかったのです。おそらく、バイデン陣営もクリントン陣営と同じ結果になるでしょう。
ということは、今回の大統領選挙が新型コロナ感染拡大のために郵便投票になれば、GOTVにおける戸別訪問の必要性がなくなります。バイデン氏は熱量の少なさから生じたボランティアの運動員不足の弱みを埋めわせることができるのです。
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