2022年12月10日(土)

定年バックパッカー海外放浪記

2020年8月2日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

IT技術とデジタライゼーションで先進国に追いつく

買物客で溢れる日暮れのブージの町。年間人口増加2500万人というインドの人口爆発を実感する

 初代ネルー首相以来国民会議派(NCP)が主導する政権下で半世紀にわたる経済停滞が続いたと兄弟は批判。国民会議派は自動車や機械類など全て国産化するという輸入代替政策に固執して非効率で時代遅れの工業生産を温存した。

 インド人民党(BJP)が政権を取ってから外資導入を促進、2014年のモディ政権により本格的に経済改革に取り組み経済成長が加速した。

 インドは現時点で人口14億人に迫り数年で中国を追い抜く。同時に今後数年以内に英仏を抜いてGDPが世界第5位になるのは確実という。

 モディ政権は70%以上、時には80%に近い支持率を維持している。中国は市場経済導入で高度成長を達成したが、インドは得意のIT技術活用とデジタライゼーションにより先進国にキャッチアップすると二人は強調した。

 二人とも経済とIT関係を学んでおりホテル経営は片手間だ。ちなみに経営しているホテルはインドの若きホテル王が率いるOYOグループと提携しており、看板はOYO-〇〇ホテルとなっている。OYOは客室数世界2位の新興ホテルチェーンであるが、まさにITを駆使して数年間で驚異的に事業拡大した。

 アマゾンはいち早くインドの将来性に目を付けてムンバイに世界最大の拠点を設けてインドで6万5000人雇用しているという。インドのデジタライゼーションは急速に進行しておりカジュラホの村の雑貨屋や食堂ですらスマートペイによる電子決済ができるので兄弟は財布には小銭しか持っていないという。現金を使用するのは屋台でサモサを買う時くらいしかないと笑った。

インドにとり日本は信頼できるパートナー

超満員のため扉を開けて走るコルカタ近郊の通勤電車

 兄弟は日本が第二次大戦でインド人民部隊と一緒に英国と戦ったお陰で1947年にインドは独立を果たしたと日本の太平洋戦争を『欧米列強からアジアを解放した戦争』と位置付けた。

 注)インドの知識人と話すと、しばしば日本軍のインパール作戦を称賛する。初代首相ネルーも『日本がアジアを解放しなければインドの独立は50年遅れた』と語っていた。そしてインパール作戦で日本軍の支援を受けて蜂起したチャンドラ・ボース将軍は現代でもインドの英雄である。インドが親日的な由縁であろう。ちなみにコルカタ国際空港の正式名称はネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港である。

 二人は中国に対抗し同時に経済大国になるためには日本との協調が不可欠であると力説した。モディ首相はグジャラート州知時代に外資導入によりグジャラート州を先進工業地帯にすることで経済手腕を発揮した。州知事時代に日本の先進技術導入のためモディ首相は何度も訪日して企業誘致に努めたという。

 モディ政権下で地下鉄や高速鉄道を日本から導入することに決定した背景には高い技術力と日本への信頼感があると兄弟は指摘した。

 傍若無人な一党独裁の超大国の中国に正面から対抗できるのは世界最大の民主主義国家インドだけではないだろうか。兄弟の話を聞きながらインドの近未来に思いを馳せた。

  
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