2024年2月21日(水)

使えない上司・使えない部下

2020年10月8日

部下に仕事を任せて失うプライドやメンツなんてありえない

土屋俊一さん

 社員やパート社員には納得した仕事をしてもらい、定着率を高めることを大切にしています。そのために、必要以上に指示をしないようにしてきました。個々が自主的に判断し、行動をしてほしい。それが結果として、スタンドプレーになったとしても怒ったり、叱ったりしません。かつて、経営者としての経験が浅い頃は腹が立つことはありましたが、今はもうそのように感じませんね。部下たちの一つ一つの行動に腹を立てていたのでは、強い組織を作ることはできないでしょう。

 社員が率先して前にどんどんと進めてくれないと、私がいつまでも目の前の仕事しかこなすことができなくなります。それでは、新たな取り組みや新規事業、経営多角化を進めることもできません。9年前に会員組織を作り運営してきたからこそ、今回は経営危機を乗り越えることができつつあるのです。

 以前の私は、部下に任せることが怖くて部下の仕事まで抱え込み、オーバーワークな日々でした。ある時、上司(当時の社長)が教えてくれたのです。「あなたは、今のサイズに収まるタイプじゃない。もっと大きな仕事ができる。もっと部下に任せなさい。部下は、あなたが想像する以上に働くよ」。上手い言い方ですよね…。

 しだいに仕事を任せるようにすると、社員たちは喜んでいるようでした。職場の雰囲気もよくなりましたよ。上司としてのプライド?そんなプライドはいりません。部下に仕事を任せて失うプライドやメンツなんてありえない。今回も危機の中、最前線で仕事をしてくれるのは社員ですから、私としては感謝しかありませんよ。

 たとえば、ツアーの企画会議でも、社員たちのアイデアや案を否定することはしません。まして、「私が以前考えた企画は…」なんて過去の話は持ち出しません。そんなことでは、今の時代に通用しないのです。心の中で「これは難しいな」と感じた企画が、大ヒットしたケースもあります。時代は、変わっているのです。ヒットしなかったとしても、叱るなんてしない。むしろ、その姿勢を褒めて称えます。叱って、不愉快な思いで企画を考えたところでお客様は喜びません。まずは社員が納得し満足した企画をしたことで売上が上がり、そのことでお客様に受け入れられたんだと喜びます。それが添乗員に伝わり、お客様の心に届く。まずは、社員がワクワクしないと…。そのような風土や仕組みを作るのが、上司や経営者の仕事だと思います。

 コロナ・ウィルス感染拡大の影響が沈静化し、売上が元の状態に戻るのは早くて2022年になるのではないかと考えております。しかし私たちは、そこよりもはるか先に目を向けています。むしろ、今回の危機を社員や添乗員、パート社員、お客様との関係を一段と強くするチャンスととらえています。必ず、乗り越えます。負けませんよ。

四季の旅

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