文明開化の香り漂う明治初期の風物を西洋画風のタッチで描いた浮世絵師、小林清親(きよちか)。その新しい画法から「光線画」と呼ばれた風景版画を中心に、清親と門下の井上安冶(やすじ)の作品による展覧会が開かれる。
小林清親「新橋ステンション」横大判
錦絵 明治14(1881)年
横浜美術館所蔵 加藤栄一氏寄贈
錦絵 明治14(1881)年
横浜美術館所蔵 加藤栄一氏寄贈
自然光をはじめ、街に点り始めたガス灯やランプといった人工の光の明暗のコントラストを描いた光線画は、江戸の錦絵とは一線を画した新しい作風が受けて、当時の人々の人気を集めたという。清親は明治9(1876)年から14年までの6年間に93点の光線画を手掛けている。
今回の展示では「新橋ステンション」「東京銀座街日報社」など光線画の代表作に加え、石版画や肉筆画、さらに初公開となる晩年の水彩画などを紹介、その幅広い画業をたどることができる。
また、清親の愛弟子で、26歳の若さで夭折した安治の作品からは、代表作「東京真画名所図解」シリーズや「銀座商店夜景」などを展示。会場では“最後の浮世絵師”と呼ばれた清親と安治の作品、約180点を通して、詩情あふれる懐かしい風景に出会える。
清親と安治 ─光線画の時代─
<開催日>2012年9月8日~10月8日
<会場>山口県萩市・山口県立萩美術館・浦上記念館(山陰本線東萩駅からバス)
<問>0838(24)2400
http://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/
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