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2021年1月1日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

【原 竜也(はら・たつや)】 
1972年生まれ︒東京大学工学部卒業後、丸紅に入社。28歳で家業である原印刷(現ハラブレックス)に入社、36歳で社長に就任し、直後に『cocoroe ココロエえひめ』のプロジェクトを開始した。

 どんな仕事にもやりがいがあるんだということを伝えたい、そう思ったのがきっかけでした」

 愛媛県内の中高生に配るフリーペーパー『cocoroe ココロエえひめ』を発行する原竜也・ハラプレックス社長は振り返る。2011年から年に3回、4万5000部を発行し続けてきた。

やりたい仕事の見つけ方

 地元の経済人たちと共に大学生とのディスカッションに参加した時、「やりたい仕事はどうやったら見つかるのですか」と問われた。ハタと思った。「もともとやりたいと思っていた仕事に就けた大人なんて、そう多くはないのではないか」。しかし、多くの大人たちは、出会った仕事にやりがいを感じ、日々働いている。それに気付けば、視野が広がるに違いない。

 原社長の会社は印刷業が中心で、グループには企画会社があり、カメラマンやデザイナー、ライターもいる。そんな「仕事のやりがい」を伝える冊子を作って中高生に配ることにした。毎号32ページ。地元の企業や役所などから10人前後の「働く人」を取り上げる。今年5月に発行した第30号には、地元今治市の「正和汽船」の三等航海士や、製造業「カンテツ」の機械設計担当者などが、仕事現場での写真と共に掲載されている。

 そこにはこんな「生の声」が並ぶ。

 「お客様から感謝されるたび、喜びとやる気があふれ、すごくやりがいを感じます」

 誌面に共通するコンセプトは「やりがい」。どんな時に「やりがい」を感じたか、実際に働く人たちに話してもらうことを心がけている。

 取り上げた人たちに、「mustアイテム」を紹介してもらうコーナーや、「ある1日」の起床から就寝までの日程を示してもらう共通データ欄もある。1ページずつの記事ながら情報量は多い。「地元にどんな会社があって、そこでどんな人が、どんな仕事をしているのか、できるだけ具体的な情報を示したいと考えた」と原社長。そうした情報を求める子どもたちがたくさんいる、ということを痛感したという。

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