人的補償を求める
年俸面でFA選手の「Bランク」とみられる梶谷が権利行使で退団したことで、移籍先の巨人には人的補償を求めることも可能になった。これも、かなりのプラスだ。
現在も球団側と昵懇の関係にあるベイスターズOBもこう解説する。
「九分九厘間違いなくベイスターズは人的補償に舵を切る。まずは巨人から届くプロテクトリストを見た上での判断となるが、おそらく投手を選ぶことになるはず。巨人は有望な若手も含め故障を理由に複数選手を今オフ、自由契約にして育成で再契約を結ぶ〝荒業〟に出ているが、球界関係者たちから『プロテクト漏れを防ぐ意味での苦肉の策ではないか』という疑惑まで向けられているのが現状。ただ、そうは言ってもモノには限度があり、プロテクトから外れる選手の中には間違いなく金の卵が埋もれているだろう。かつてベイスターズは山口俊のFA移籍の際に巨人から人的補償で平良拳太郎を獲得し、成長させた過去の実績もある。球団内には今、巨人がプロテクトで頭を悩ませる様子を『高みの見物』できている余裕すら感じられる」
もしも本当に巨人がDeNAの戦力ダウンに成功したと思い込んでいるようならば、それは早計だろう。きっとベイスターズは「やられた分はシーズンでやり返す」と思いを強くしているに違いない。日本シリーズ4連敗を喫したことで巨人ともどもセ・リーグ全体のレベル低下が叫ばれている中、これに歯止めをかける意味でもDeNAの来季の意地に期待したいと思う。
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