企業承継インフラの構築
創業してまだ3年目だが佐上社長は「2019年の売上実績は18年比で約80%伸びた。Webを通じた問い合わせは毎月数百件程度あり国内最大級。コロナ禍で中小企業からの売りたい要望が急増している」と話す。22年ごろに東京証券取引所への上場を予定しており、M&Aの分野で新たなフィンテック企業の登場に関係者の期待も高まっている。
「今後はこのマッチングシステムを広げることで、後継者のいない中堅・中小企業の独自技術を引き継げれば、廃業を減らすことができる。ボタンを押すだけで、企業承継してくれるリストが出てくるようなインフラを構築したい」と話す。
M&Aというと、会社が乗っ取られてしまうというネガティブなイメージが付きまとうが、中堅・中小企業が長年にわたり引き継いできた独自の技術や伝統工芸の匠の技は、可能であれば新しい世代の経営者に伝承してもらいたいものだ。その意味でも、こうしたマッチングを活用すれば経営者は代わっても後世に残すことができる。
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