2023年2月6日(月)

Washington Files

2020年12月28日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

有権者たちの動向を恐れた

 有力誌「The Atlantic」は最近号で、同党が隷属状態となった背景について以下のように説明している:

 「共和党主流はトランプ氏が当選し、ホワイトハウスの主となるまでは、その尋常ならざる言動とは一線を画し、ある意味では軽蔑の対象でもあった。しかし、彼がひとたび絶大な権限を背景に連日のように自分のツイッターで型破りの持論や政策方針を打ち出すにつれ、瞬く間に何千万人というフォロワーに膨れ上がっていった。その後は大統領批判をすればただちに彼のツイッター攻撃の餌食とされ、結果的に有権者の支持を失うことを恐れ、まともに物も言えなくなった。結局、共和党議員たちは、トランプ大統領自身を恐れたのではなく、彼の言動でそそのかされた有権者たちの動向を恐れていたというのが真相だろう」

 この点、ニューヨーク・タイムズ紙も、大統領の移民政策や国民健康保険制度に対する節度を欠いた姿勢を党内で批判したため、大統領のツイッター攻撃を受け、わずか2期の任期で退任に追い込まれたデーブ・トロット下院議員(ミシガン州)の例を紹介、同議員が「大統領を批判すると、すぐにツイッターで反撃を受け、政治生命が脅かされることを覚悟しなければならない」と告白したと報じたことがある(2019年12月22日付)

 実際に、トランプ氏は大統領就任前までは、自分のツイート発信回数は1カ月平均で60回程度に過ぎなかった。ところが、ホワイトハウス入りとともに急上昇し、今年10月には1カ月で1万9600回という記録的数字にまで膨れ上がった。フォロワーも大統領就任当初はわずか数千人だったが、今年になって6000万人を突破、この間、トランプ・ツイッターで攻撃にさらされた与野党政治家は数多い(本欄拙稿12月7日付『トランプ風船がしぼむ時』参照


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