2024年6月17日(月)

Wedge REPORT

2020年12月30日

動きが起こるとすれば来年

Q サラリーマンの総所得やボーナス支給額がコロナ禍で全体的には減少しているので、購入できるマンションにも変化が起きるのではないか。

井出研究員 起きるとしたら来年以降だろう。これから買おうと思っている人は収入が下がるという見通しを持った人は、購入に待ったをかけられる。またマンションを買ったばかりで住宅ローンを多く払っている人に対しては、金融機関が相談を受けたうえである程度支払いを減免させるとか、当初の支払額を低く抑えるとか、ローンの組み換えに応じるなど、柔軟に対応できていたので、大きな危機にはならなかった。もともとマンションを購入できる層は、夫婦共働きか、ある程度の給与のある人たちで、こういう危機で多少ボーナスが減っても貯蓄で払ったりできる体力のある人たちだ。

 根本的にみても、こうした支払い能力のない人は、そもそも新築マンションを選んでいない。特にこの数年はマンション価格が高騰したので、ここで住宅ローンが組める人はパワーカップルという言葉が出てきたように、夫婦合わせての年収が1500万円とかの層がマンションを購入できたが、そうでない収入の低い人はマンションを購入していない。コロナにより直接被害を受けた多くの人は、マンション購入層とは違う人たちであることも浮き彫りになった。

Q テレワークの拡大により、オフィス需要が減少して渋谷区などでは空室率が上昇しているようだが。

井出研究員 渋谷やかつての品川では再開発が行われて、質の良いビルができて全体的に賃料が上がり、店子の入れ替わりが起きている。渋谷などは家賃が高くなって店子が出て行っても、入れ替わりに新しくなった渋谷にふさわしい別の店子が入ってくるので、そのこと自体はそれほど憂慮する必要はない。リモートワークの増加によりオフィスの床面積は減らせても、ソーシャルディスタンスとかリモート専用の床が必要になったりするのも無視できないので、リモートが増えたからと言って単純にオフィススペースが減るとは考えられない。

  
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