2024年4月17日(水)

中東を読み解く

2021年1月4日

イラン、高濃縮ウランの製造開始を通告

 ニミッツの撤収に関するイラン側の反応はまだ出ていないが、最高指導者ハメネイ師の軍事顧問デーガン少将はトランプ大統領に向けてツイート。「新年を米国人の喪中期間にするな」と米攻撃をけん制した。ザリフ外相もトランプ政権が戦争を始める口実を捏造しようとしていると非難するなど、米国の挑発に警戒を強めている。

 しかし、その一方でイランは1日までに、国際原子力機(IAEA)に対し、中部ファルドウの核関連施設で濃縮度20%のウランの製造を開始する方針を通告した。イランは米国の経済制裁に反発し、核合意で定められた低濃縮ウランの貯蔵上限を大幅に上回る量を保有。その量は現在、核爆弾2個分の製造に十分な2.4トン以上に達している。

 濃縮度についても、核合意が認める3.67%を超え、4.5%程度にまで上がっているが、20%まで濃縮度を高めると、核爆弾の製造は容易になるとされており、重大な一線を超えることになる。だが、IAEAへの通告では、いつから濃縮を開始するかには言及しておらず、トランプ氏が退場した後のバイデン新政権との交渉の余地を残しているのではないかと見られている。

 ファルドウの核関連施設は山中深くに建設され、新型の遠心分離機などが稼働、米国や宿敵イスラエルにとっては最大の標的の1つだ。革命防衛隊の対空システムに守られており、軍事専門家らによると、米軍の大型の地中貫通爆弾で爆撃しても破壊するのは難しいとされる。

  
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