2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2021年2月1日

米国内でも〝時の人〟として注目

 来オフはワシントン・ナショナルズのマックス・シャーザー、ロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショー、ヒューストン・アストロズのジャスティン・バーランダーとサイ・ヤング賞の受賞歴のある超大物投手もFAとなる。加えて巨人の菅野智之投手も海外FA権を今季中に取得する見込みで、ポスティングシステムを申請しながらも今オフに実現できなかったMLB移籍へ向け、来オフにも再度トライする可能性が高い。来オフの移籍市場は今オフ以上に激化することになるが、それでも前出の関係者は「田中がNPB(日本プロ野球)で再びムーブメントを起こせば、来オフの移籍市場において他のFA大物投手よりも魅力的で費用対効果も十分な存在になり得る」と分析し、こうも続けている。

 「日本よりも米国のコロナショックは深刻。MLBは昨季に続いて今季も開幕遅延、シーズン縮小となることが不安視されている。一方のNPBは現在までのところ今季は143試合の公式戦が予定通りに実施される見込み。NPBにカムバックした田中は試合数減少が危惧されるMLBに残留するよりもマウンド上で自身の実戦におけるハイパフォーマンスを見せられる機会が増えることになるかもしれない。

 加えて今夏の東京五輪が予定通りに開催され、田中が日本代表(侍ジャパン)に選出されれば、MLB在籍時では叶えられなかった国際試合での登板と金メダル奪取への道のりも整う。アピールの場が増え、大活躍すればMLBでも価値は当然上がる。加えて何よりも彼には僅か1年前までMLBのトップクラスを相手に実績を積み上げてきた経験値がある。このように来オフに向けて現段階から総合的なシミュレーションを田中に対して行っているとすれば、ヤンキースは本気で1年後に再獲得へ動くのではないか。少なくとも、我々の球団内では『NYにはそういう選択肢もあるだろう』と分析している」 

 2021年シーズンで楽天・田中は日本だけでなく、米国内でも〝時の人〟として注目を一身に浴びることになりそうだ。 

  
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