Wedge REPORT

2020年12月28日

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 日本の格闘技熱は再び盛り上がって来たのか。今年の大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される総合格闘技大会「RIZIN 26」。入場チケットは追加発売となったアウトレット席を除いて完売するなどかなりヒートアップしている。

 全16試合のカードが組まれた当日のメインマッチは王者・朝倉海と挑戦者・堀口恭二が対戦するRIZINバンタム級タイトルマッチ(RIZIN MMAルール、5分3ラウンド)。朝倉海が堀口にインパクト十分な1RKO勝利を飾って以来、実に1年4カ月ぶりの再戦となる。セミファイナルではRIZINキックボクシングルールで那須川天心も登場し、皇治と五味隆典によるパンチのみのスタンディングバウトなど異色対決も盛り込まれた一大イベントとして格闘技ファンのみならず一般層からも大きな話題を集めている。

朝倉未来(Motoo Naka/アフロ)

 いろいろな見方があると思うが、第13試合に組まれた朝倉未来と弥益ドミネーター聡志との一戦はやはり要注目だろう。弟のバンタム級王者・海にメインを譲った格好だが、この試合はタイトルマッチ以上に戦前から多くの人たちの興味を引いている。11月21日の「RIZIN 25」(大阪城ホール)で朝倉は修斗出身・斎藤裕とのRIZINフェザー級王座決定戦に判定で敗れており、ドミネーターとの一戦は「絶対に負けられない戦い」となる。

 ただ、朝倉のアンダードッグとして扱われがちなドミネーターも侮れない相手だ。筑波大学院卒で大手食品メーカーに勤務する傍ら総合格闘技団体「DEEP」に参戦し、第9代フェザー級王者に輝いた経歴も持つ実力者。こうした異色の経歴も加味すれば朝倉のさらに上を行く戦略家と見ることもできる上、容易ならざる難敵となりそうな予感も漂う。決して「安パイ」ではなく朝倉がKO負け、あるいはタップアウトで2連敗する悪夢の結果も荒唐無稽とは言い切れない。

 しかしながらRIZINの主催者側としては、口にこそできないものの朝倉未来の「番狂わせ」は望んでいないだろう。朝倉は今やドル箱選手。少年院の収容歴がありながら前田日明氏主催の総合格闘技大会「THE OUTSIDER」で頭角を現し、今の地位を築き上げたシンデレラストーリーは現代の若者たちの心をとらえている。多くのフォロワーがいる朝倉の大会参戦、そして勝利はRIZINの大会存続の今後を占う上でも必要不可欠な要素となりつつあるのかもしれない。

 それが証拠に2021年の朝倉に予想されるストーリーラインとして斎藤とのリターンマッチ、さらに同年2月28日にRIZINも全面協力で行われる格闘技イベント「MEGA2021」(東京ドーム)でフロイド・メイウェザー・ジュニアとの〝ドリームマッチ〟の実現もウワサされている。

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