【中学受験】成功を導く父親の役割

2021年2月18日

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西村康則、高野健一 (にしむらやすのり、たかのけんいち)

中学受験専門のプロ家庭教師集団「名門指導会」

【西村康則】

40年以上、難関中学、高校受験指導を一筋に行う。暗記や作業だけの無味乾燥な受験学習では効果が上がらないという信念から「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。また、学習指導だけでなく、受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーション術もアドバイスする。

【高野健一】

名門指導会算数科主任。問題の解法を一方的に教えるのではなく、生徒の答案やノートからその子の思考を読み取り、その思考に立脚した指導を心掛けている。中学受験だけでなく大学受験にも精通しており、中学入試で終わりでなく、一歩先を見据えた上で今必要な内容の指導を行っている。開成・麻布・桜蔭・女子学院などの難関校を筆頭に、多くの学校に合格者を送り出している。

連載『【中学受験】成功を導く父親の役割』をベースとした書籍『中学受験! 合格する子のお父さん・受からない子のお父さん』(西村則康・高野健一著)が2月20日ごろ発売されます。今回の記事は同書の一部を再構成しています。

2月、それはお父さんがはじめて、
「子どもの受験」について考える時期

お父さんは、子どもの中学受験にどのように取り組むべきなのか。2月20日発売の『中学受験! 合格する子のお父さん・受からない子のお父さん』(ウェッジ刊)にはその実例が詳しく紹介されています。

 2月は受験シーズン。高校や大学だけでなく、中学校の受験もこの季節です。通勤電車の中で、緊張した面持ちで中学受験へと向かう、小学生とその親御さんの姿をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 4月の進級を控え、「うちの子どもに中学受験をさせてみようか……」と思い立ったとき、また夫婦の間でお子さんの中学受験の話が出たとき、父親として、まずはどうすればいいのでしょう。

 実は、ごく初期の段階からお父さんが上手にかかわることによって、受験が成功するかどうかが決まってくると言っても過言ではありません。

ママ友の噂話からはじまる中学受験

 私が中学受験に関わり始めて40年。これまでいろいろなご家庭を見てきましたが、ここ10年で大きく変わったなと感じることがあります。良くも悪くも、子育てに関する情報があふれていることです。昔も中学受験をする家庭は一定数いましたが、中学受験に関して、あまりオープンに口にすることはなかったように思います。早い段階から「うちは中学受験をする」「◎◎中に入れて医学部を目指す」と家庭の方針が決まっていて、ママ友と「どうする? する? しない?」など気軽に話す内容ではなかったからです。

 ところが、インターネットが発達し、お母さんたちがスマホを持つようになると、身近なママ友情報だけでなく、ありとあらゆるところから子育てに関する情報が入ってくるようになりました。その情報は常に正しいとは限らないのですが、「首都圏では4人に1人が受験をする」「公立中に進学すると大学受験に不利になる」などのそれらしい情報が入ってくると、不安やあせりから「うちも中学受験をしなければ!」と思ってしまうお母さんは少なくありません。

 しかし実際は、「4人に1人」というのは、東京都のある区だけの話であったりします。また、私立中高一貫校は高校受験がないぶん、中3から高校課程の学習に進むことができ、早い段階から受験勉強ができるため、大学受験には有利といわれていますが、結果は人それぞれです。ですから、中学受験に対して、間違った不安や期待を持たない方がいいと思います。

つい忘れてしまう「なぜ受験をするのか、させるのか」

 さて、そんなお母さんに対し、お父さんはどんな反応をするのでしょうか?

 最も多いのが、「君がそう思うんだったら、やってみたら?」というもの。一見、「君の自由にしていいよ」と賛成を装いながら、本音は「あまり関わりたくないな」といったところでしょうか。

 もちろん、なかには「そうだな。やっぱり、受験をさせた方がいいだろうな」と、お父さんなりの考えを持って賛成することもありますが、全体的に見ると、お父さんは傍観者であることが多いように感じます。しかし、どちらも大事なことを見落としています。それは、「お子さんにとってどうか」という視点です。

 「どうやら中学受験はした方が良さそうだ。でも、中学受験をするとなると、3年間塾に通って勉強をしなければならない。それをあの子ができるのだろうか?」

 「中学受験をするとなると、大好きな野球を途中で辞めければならなくなるかもしれない。それはあの子にとってマイナスにならないだろうか?」

 「中学受験は気になるけれど、高校受験は本当に大変なのだろうか? 今ムリに受験をするより、あと5年待った方が、あの子は伸びるのではないか?」

 「あの子が一番楽しそうにしているのは、どんなときだろう? それを伸ばしてあげるのに、どんな環境を与えてあげればいいのだろう?」

 そうやって、目の前にいるお子さんを中心に考えていかなければなりません。なぜなら、中学受験の勉強をするのも、入試に挑むのも、合格した学校に6年間通うのもお子さんだからです。

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