2024年11月21日(木)

【中学受験】成功を導く父親の役割

2020年1月30日

(Manmarumaki / iStock / Getty Images Plus)

「合格してえらい」は子どもを勘違いさせるNGワード

 もうすぐ首都圏の中学入試がピークを迎えます。東京・神奈川の学校では、2月1日~3日を中心に入試が行われ、当日、または翌日には合否が出ます。小学校生活の半分を受験勉強に費やしたことを考えると、なんとか第一志望校に合格してほしいと親が願うのは自然なこと。しかし、親が合否にこだわりすぎると、子どものその後の中学生活に影響が出てしまいかねません。

 中学受験の最終目標は、志望校に合格することです。ですから、第一志望校に合格できれば、これほど嬉しいことはありません。特に偏差値の高い難関校に合格できれば、まわりにも顔が立ちますし、将来、難関大学へ進むチャンスを得ることができます。そこでついお父さんは「合格してえらい」と言ってしまいがちです。確かに難関校に合格できたことはすごいことではあるのですが、ほめるポイントが「合格」になると、「不合格の子はダメな子なんだ」という解釈を子どもがしてしまう恐れがあります。そして、「俺は頭がいいんだ」と天狗になり、上から目線になったり、努力を怠ったりするようになります。私はこれまでそういう子をたくさん見てきました。そして、残念なことにそういう子ほど中高で伸び悩んでしまいました。

 子どもの合格を喜ぶのであれば、「合格した結果」ではなく、これまでの「努力の過程」に目を向け、そこをほめてあげましょう。

 「6年生になってからのお前のがんばりは本当にすごかったな。お父さん、感心したよ」

 「大好きなゲームを我慢して、よくがんばったな。やりたくないテスト直しも逃げずにちゃんとやってえらかったな」

 こういう言葉をかけてあげると、子どもは自分のがんばりを認められたと感じ、嬉しい気持ちになります。そして、「がんばれば結果につながる」ことを学ぶのです。

もし第一志望に合格できなかったら・・・・・・

 中学受験で第一志望校に合格し進学する子は、全体の約3割程度といわれています。それ以外の子は、第二志望、または第三志望校へ進学します。なかには受験したすべての学校が不合格で、地元の公立中学に進む子もいます。

 受験には合否が必ずあります。不合格になるのは、親にとっても、子どもにとってもつらいことです。ところが、現実を直視せず言い訳をする親がいます。特にプライドが高いお父さんに、その傾向があるように感じます。そういう親を持つ子どもも見栄っ張りで、現実を認めたがりません。

 御三家の滑り止めとして受験する上位男子校では、入学当初に必ず話題に上がるのが「御三家のどこを受けたか」です。そういう話題を持ち出す子は、「俺は本当は開成なんて受けたくなかったんだけど、塾が受けろっていうから受けただけ」「入試のときにお腹を壊しちゃってさ〜」などと言い訳を並べます。そういう子は「俺は本当は御三家に行けるだけの学力レベルだったんだ。こんな学校でやっていられるか」と、その学校に通う生徒を見下します。すると、友達関係がうまくいかなくなったり、努力をすることを怠って成績が下がったりして、中学生活が楽しめなくなってしまうことがあります。


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