【中学受験】成功を導く父親の役割

2020年1月30日

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西村則康 (にしむら・のりやす)

中学受験専門のプロ家庭教師集団「名門指導会」代表

40年以上、難関中学、高校受験指導を一筋に行う。暗記や作業だけの無味乾燥な受験学習では効果が上がらないという信念から「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。また、学習指導だけでなく、受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーション術もアドバイスする。

(Manmarumaki / iStock / Getty Images Plus)

「合格してえらい」は子どもを勘違いさせるNGワード

 もうすぐ首都圏の中学入試がピークを迎えます。東京・神奈川の学校では、2月1日~3日を中心に入試が行われ、当日、または翌日には合否が出ます。小学校生活の半分を受験勉強に費やしたことを考えると、なんとか第一志望校に合格してほしいと親が願うのは自然なこと。しかし、親が合否にこだわりすぎると、子どものその後の中学生活に影響が出てしまいかねません。

 中学受験の最終目標は、志望校に合格することです。ですから、第一志望校に合格できれば、これほど嬉しいことはありません。特に偏差値の高い難関校に合格できれば、まわりにも顔が立ちますし、将来、難関大学へ進むチャンスを得ることができます。そこでついお父さんは「合格してえらい」と言ってしまいがちです。確かに難関校に合格できたことはすごいことではあるのですが、ほめるポイントが「合格」になると、「不合格の子はダメな子なんだ」という解釈を子どもがしてしまう恐れがあります。そして、「俺は頭がいいんだ」と天狗になり、上から目線になったり、努力を怠ったりするようになります。私はこれまでそういう子をたくさん見てきました。そして、残念なことにそういう子ほど中高で伸び悩んでしまいました。

 子どもの合格を喜ぶのであれば、「合格した結果」ではなく、これまでの「努力の過程」に目を向け、そこをほめてあげましょう。

 「6年生になってからのお前のがんばりは本当にすごかったな。お父さん、感心したよ」

 「大好きなゲームを我慢して、よくがんばったな。やりたくないテスト直しも逃げずにちゃんとやってえらかったな」

 こういう言葉をかけてあげると、子どもは自分のがんばりを認められたと感じ、嬉しい気持ちになります。そして、「がんばれば結果につながる」ことを学ぶのです。

もし第一志望に合格できなかったら・・・・・・

 中学受験で第一志望校に合格し進学する子は、全体の約3割程度といわれています。それ以外の子は、第二志望、または第三志望校へ進学します。なかには受験したすべての学校が不合格で、地元の公立中学に進む子もいます。

 受験には合否が必ずあります。不合格になるのは、親にとっても、子どもにとってもつらいことです。ところが、現実を直視せず言い訳をする親がいます。特にプライドが高いお父さんに、その傾向があるように感じます。そういう親を持つ子どもも見栄っ張りで、現実を認めたがりません。

 御三家の滑り止めとして受験する上位男子校では、入学当初に必ず話題に上がるのが「御三家のどこを受けたか」です。そういう話題を持ち出す子は、「俺は本当は開成なんて受けたくなかったんだけど、塾が受けろっていうから受けただけ」「入試のときにお腹を壊しちゃってさ〜」などと言い訳を並べます。そういう子は「俺は本当は御三家に行けるだけの学力レベルだったんだ。こんな学校でやっていられるか」と、その学校に通う生徒を見下します。すると、友達関係がうまくいかなくなったり、努力をすることを怠って成績が下がったりして、中学生活が楽しめなくなってしまうことがあります。

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