2022年7月6日(水)

田部康喜のTV読本

2021年2月26日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

息の詰まる展開で、謎が謎を呼ぶ

 ここからは、役柄の表面的な男女の心に重点をおいて、ドラマの謎を追っていくことにしよう。日高と望月が入れ替わった役柄で書き進めたい。日高(望月=綾瀬)と望月(日高=高橋)の息詰まるやり取りが連続する。

 第6話(2月21日)に至って、日高(望月=綾瀬)は、日高自身がコインロッカーに隠しておいた日高宛ての手紙を、陸が盗み見した内容を望月(日高=高橋)に突き付ける。手紙には、「陸橋で待つ」と書いてあった。

 日高 あんた、殺人事件をやってないんじゃない。犯人は、陸橋の女でしょ。

 望月 さぁ、どうでしょ。わたしがすべてを握っていることを忘れないように。

 日高 (やった。あたりね)

 望月の先輩刑事である、河原は、殺人事件の被害者の共通項として、スポーツジムの会員だったことを突き止める。会員の名簿を盗んで売りさばいていた、元女性従業員にたどり着いて、会員情報の対価を振り込んできた人物のハンドルネームが「くうしゅうごう」つまり「Φ」であることを突き止める。振込先の銀行口座の情報から、その人物が十和田元であることがわかるが、十和田はすでに自殺していた。

 日高(望月)は、陸に協力を仰いで、日高自身が別のコインロッカーに隠していた、殺人の対象者のリストを手に入れる。陸はリストと一緒に、「暗闇の清掃人」と題した漫画をみつける。法律では裁けない悪人を、清掃人がミスターXから、数字の指示を受けて殺していくという筋立てだった。

 日高と出会ったことがある、陸橋を渡ったところにある壁に赤字スプレーでいたずら書きのように書かれた数字が、犯行のターゲットを示していることに気づく。リストの人物の氏名の一部に数字が読み取れるのである。見つけたばかりの「9」は、リストの警備会社の社長の「久米」だと考える。

 日高(望月)と相棒の八巻が、久米の自宅近くで張り込んでいると、影のように男が現れて、ふたりに気づくと去っていった。

 早朝、久米の屋敷の塀を乗り越えて、望月(日高)が現れる。日高(望月)と八巻が後を追うが逃げられる。屋敷の入り口が開いて、久米夫妻がウォーキングのために出てくる。

 「よかった。誰も死ななくて」と、日高(望月)は膝からくずれおちる。

 一方、望月(日高)は、連続殺人事件の捜査本部に戻って、死体発見のデータベースに人物の名前を打ち込んでいる。「東朔也」と。

 被害者たちが通っていた、スポーツジムの名簿を買っていた、十和田元を追っていた、刑事の河原(北村一輝)は、十和田の遺品を整理した業者に行き着く。遺品は処分されたが、「東」という人物が、遺品のなかから漫画を持って行ったというのである。

 脚本の森下佳子が仕掛ける謎の数々に、観る者の挑戦が続く。

  
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