2022年10月6日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月26日

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 中国の指導者が、このような点を理解することを望む。そうすれば、日中海戦は、この論文の紙面の外では行われないだろう、と論じています。

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 筆者のホームズ氏は、海上自衛隊との共同訓練に参加した経験があるなど、海上自衛隊の内情に詳しい人物と思われます。海自と米海軍の間の信頼関係の高さと海上自衛隊の優位を信じているようであり、また、現在自衛隊が計画中の南西諸島防衛にも、その効果に期待しているようです。そして、日本の防衛力は侮れないのだから中国は軽挙妄動をするな、と戒めているわけです。

 日本として、最も憂慮すべきことは、東シナ海における制空権です。今では考えられないことですが、かつて90年代半ば頃は、「中国海空軍如きは鎧袖一触」と豪語することすら可能でした。当時は、日本の200機のF-15に対して、中国のスホイ27は20機ほどで、まだ購入したばかりで試験飛行中だったのです。それが、日本側はその後増強していないのに対して、中国の第五世代機は400機になんなんとしているといいます。

 もちろん、この論文でも指摘していますが、東シナ海で一朝有事があれば、「日本が外交的に大錯誤でも犯さない限り」米国の介入は当然でしょうから、日本だけの戦力を考えて心配することも無いのかもしれませんが、そうはいっても、防衛費の増額、F-35の早期購入が待たれるところです。そして、集団的自衛権の行使容認が肝要です。

[特集] 習近平と中国 そして今後の日中関係は?

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