2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2021年3月12日

レストラン「HMAYUI」も復活、釜石の今とは?

「HAMAYUI」から望む釜石湾。左手の壁は、今年150周年を迎える『日本一号海図 釜石』。海上保安部情報管理部から許可を得て掲示している

 被災した自宅を改装して再オープンした三塚さんのレストラン「HAMAYUI」は、2019年に新たにオープンした複合施設「魚河岸テラス」に場所を移して営業している。一昨年のラグビーワールドカップの際には「信じられないくらいのお客さんが来てくれた」という。

 現在は、コロナ禍によって時短営業を余儀なくされているが、「長時間滞在する人が少なくなって、むしろ回転率は上がった」そうだ。高速道路が開通したこともあって4割のお客さんが釜石外から来てくれているという。ただ年々、復興事業に携わる人が少なくなっていることもあり、最盛期に比べると、お客さん全体の数は減っている。それでも、これまで出会った人たちが、何かにつけてレストランを訪れてくれることが、三塚さんには大きな励みとなっている。

 「10年を振り返ると、短期の課題をこなして行くことの繰り返しでした。これからはもう少し中長期的な目標を作って取り組んでいきたいと思います」と、三塚さん。震災復興で多くの新規事業が立ち上がったが、そのほとんどは残っていないという。そうしたなかでの10年、カキの生産・販売、レストラン経営の両輪を回してきた三塚さんの思いもひとしおだろう。

 花巻、盛岡方面とつながる高速道路である釜石道に加えて、3月6日には、三陸道が全通した。これによって釜石から仙台まで2時間半程度で出ることができるようになった。そこで懸念されるのが、人が流出する「ストロー効果」だ。

 「確かに釜石の人口が減少傾向にあることに変わりはありません。でも、高速道路ができたことは、逆に言えば、釜石に来てもらいやすくなったということです。実際釜石は南北、東西の結節点にあります。山も海もある釜石で、深い魅力を発信していくことで、行ってみたくなる町にしたいと思います」

 この10年、「できない理由」を探せばいくらでもあったはずだが、「どうやったらできる(可能)か」考え、実行してきた三塚さんの言葉だ。次の10年がどうなっているのか、大いに期待したい。

【購入方法】
桜満開牡蠣公式HP、HAMAYUI店頭にて、釜石産直施設(予定)、釜石ふるさと納税商品(予定)。

【「釜石桜牡蠣」公式HP】
http://sakuramankaigaki.com/

【「HAMAYUI」公式HP】
https://hamayui.jimdofree.com/

  
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