2022年12月4日(日)

Wedge REPORT

2021年3月22日

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行動力と発信力が高く評価されている

 振り返れば日本プロ野球の歴代コミッショナーは実業家や元外交官、政府要職を務めた有識者らで占められており、球界OBは1人もいない。こうした観点から「現場、各球団に強くモノを言えるレジェンドクラスの球界OBがコミッショナーに就任すべきなのではないか」との指摘は球界内でも以前から繰り返されている。その球界OBからのコミッショナー候補としては福岡ソフトバンクホークス会長・王貞治氏や元プロ野球監督・故星野仙一氏らの名前も挙がっていたことがあった。

 それが、ここにきて原監督に〝将来的なコミッショナー候補〟としてラブコールが強まるようになったのは、その当人の行動力と発信力が高く評価されているからに他ならない。たとえば、つい先日もこのようなことがあった。原監督は今月8日、コロナ禍で来日が遅れている12球団の外国人選手の「合同合宿」プランを提言。今後入国する外国人選手に課される2週間の隔離期間中、東京ドームホテルに12球団の外国人選手全員を集め、地下通路を使って移動が可能な隣接本拠地・東京ドームを練習場所として提供するプランを示した。

 2019年、そして2020年と日本シリーズでソフトバンクに辛酸を舐めさせられた直後にはセ・リーグへのDH制導入も2年連続で強く訴え続けている。昨季まで日本一の座はパ・リーグの球団に8年連続で明け渡しており、セ・リーグの日本一は2012年の巨人が現状で最後。パとのレベルの差を痛感させられている原監督はセへのDH制導入で、その差を埋められると踏んだのである。

 そして2019年の秋季キャンプではFA制度における人的補償について制度活性の妨げになっている可能性を主張し、撤廃か、または現行28人のプロテクト枠の拡大などの持論も展開した。

 ところがこれらはすべて各メディアによってセンセーショナルに報じられたものの、NPBや他球団の反応は鈍く結果的にスルーされてしまっている。

 原監督をコミッショナー候補として強く推する元セ在京球団幹部は「これだけ勇気を持って提言しまくっているにもかかわらず聞き入れられないことには、原さん本人としても忸怩たる思いがあるはず。やはり、まだまだ旧態依然としている日本プロ野球界を改革できるのは現場を知り尽くす球界OBであり、背広組の人たちではない。そういう意味においても原さんがコミッショナーになって自身が主導する形で改革を訴えていけば、メスは当然入れやすくなるだろう」と論じていた。

 さて、原監督の〝アフター2021〟はどうなるのだろうか。まずは今シーズンの行方を注視し、周囲から切望されるコミッショナーへの道が本格化するのかどうかもあらためて見極めていきたい。

  
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