2024年11月22日(金)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2021年4月21日

正しい党内闘争は党の団結を強化するために必須の道

 では、党の一元化された領導を導くためには、共産党はどうあるべきか。この問題を論じているのが『増強党的団結』(浦江紅 上海人民出版社 1974年)である。 

 この本は、「マルクス主義を実践しブルジョワ階級と一切の搾取階級を完膚なきまでに叩きのめし潰滅させ、プロレタリア階級独裁によってブルジョワ階級の独裁を退場させ、社会主義によって資本主義に勝利し、究極的に共産主義の理想を実現させるためには、我われ共産党人は、なによりも団結を革命的に強化しなければならない」と、断固たる決意をもって書き出されている。

 正しい党内闘争は党の団結を強化するために必須の道である。「誰が我われの敵で、誰が友なのか。この問題は革命の主要な問題である」との毛沢東の主張が示すように、敵と味方の間の矛盾を明確に弁別し、“団結⇒批判⇒団結”の基本方針を貫徹しなければならない。

 共産党員こそが団結の確固たる模範となり、敢えて時代の潮流に立ち向かう革命精神、「五湖四海(ちきゅう)」のように広く懐深い心、公明正大で高貴溢れる品格、謙虚で慎み深い優れた作風を持たなければならない。

 ――このように精神訓話めいた主張が展開されるが、「我われの党員のなかには組織上は入党してはいるが思想上は必ずしも入党しているわけではなく、甚だしい場合は完全に入党してはいない者がいる。思想の上から入党していない党員の頭の中には搾取階級の穢れが多くあり、その世界観は依然としてブルジョワ階級のそれだ。やはり彼らの頭の中には主観主義、セクト主義、さらには正しくない考えが詰まっている。これが党の団結に危害を及ぼさないわけがない」と、党員の資質についても論じた。


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