足立倫行のプレミアムエッセイ

2021年5月2日

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プレート運動に由来する特殊な地形

 台地群と「小流域」からなる特殊な地形。それはプレート運動に由来したものだと柳瀬氏は指摘する。

 日本列島は4つのプレートの上に乗っているが、そのうち3つが房総沖でぶつかっている。その結果、三浦半島と房総半島が生まれ、気候変動や海面の上下により、関東平野の河岸段丘から武蔵野台地などの台地ができ、遠浅の干潟を持つ東京湾を囲む形になった。

 この台地群と「小流域」の場所は、現在の国道16号線エリアと一致する。横須賀、横浜、相模原、町田、八王子、川越、さいたま、柏、千葉、木更津の1都3県27市町をつなぎ、約1100万人が暮らす巨大居住圏を形成している。

 そこはまた、旧石器や縄文時代の遺構・遺跡の集まる土地でもあり、古墳や中世の城の密集する地域とも重なる。だから著者は、国道16号線を「日本を創った道」と呼ぶ。

 著者インタビューで私は、国道16号線の横浜・八王子間が生糸を運んだ殖産興業の道であり、黒船の浦賀来訪以来、厚木、立川、横田、入間、柏、習志野が旧日本軍航空基地となり富国強兵の軍国道路となったことを強調したが、個人的には、最初に述べた日本史の二つの謎が読後氷解したことを重く受け止めた。

 徳川家康以前の関東に関する歴史情報が、これまでそれだけ少なかったということでもある。

  
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