WEDGE REPORT

2021年6月26日

»著者プロフィール

 日本を含め先進国を中心に新型コロナウイルスのワクチンの接種が進んでいる。香港は人口の3倍のワクチン数を確保し2月26日から接種を開始したが、6月21日現在で約1回目の接種率が29.0%、2回目が19.0%と約4カ月を経過したにも関わらず低い水準で、集団免疫獲得には程遠い状況だ、その背景の1つとして、2019年の逃亡犯条例改正案と香港国家安全維持法による政治不信がある。

香港国際空港に届いたコミナティ筋注(写真提供:キャセイパシフィック航空)

ワクチン自体は人口の3倍を確保

 香港の新型コロナウイルスの感染者を見ると6月21日時点の感染者1万1890人、新規感染者は3人、死者は210人。新規は3人だが海外からの感染者で香港内の地場感染者は2週間ゼロと、感染力が従来よりも強いと言われるアルファ株(イギリス株)、インド株(デルタ株)を抑え込んでいる。コロナ対策の優等生と言われていた台湾ですらイギリス株で感染者を急増させるほど防疫対策は難しいものだが、香港は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の経験を生かして、現時点ではうまく抑え込んでいる。

 ワクチンの確保については、日本と同じアメリカのファイザーとドイツのビオンテックが共同開発した「コミナティ筋注」、イギリスのアストラゼネカとオックスフォードが開発したワクチン「バキスゼブリア筋注」の2つと、北京に本社を置く「科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)」が開発した「克爾来福(コロナバック)」の3種類をそれぞれ750万本、計2250万回分の契約をした。これは香港の人口の約3倍にあたる。アストラゼネカは血栓の事例などがあったこととファイザーとシノバック製で十分な量があることから、まだ香港政府は輸入していないが、確保自体は他国と比べてもスムーズに進んだ。

関連記事

新着記事

»もっと見る