のぞみ 誰もが共通の記憶、イメージとしてもっている匂いや色ってありますよね。
ショーゼン そういう共通イメージをうまく使って、読む人の感性に句が共鳴したらしめたもの。
人を恋う黒は真っ直ぐ走る色 昌善
のぞみ 恋ってピンク色の甘いイメージだけど、「黒」という言葉を使うと、とても強い覚悟を感じる句になりますね。恋から愛への端境期かな。
ショーゼン よく使われるのは、情念の「赤」、哀しい心を描く「白」、そして覚悟を表す「黒」です。この句は覚悟の「黒」から、自分の真っ直ぐな想いを表現しています。
ただ、「赤と黒」のように1句のなかで対比をすると句が理屈っぽくなり、目障りになることがあるのでご注意を。
こだま こういうの、名づけて「カラフル川柳」ですね(笑)
ショーゼン そう。それに人の心は赤、白、黒だけじゃないよ。自分の心がきょうは何色なのかを観察して、句を作ってみてくださいね。