サウジアラビアは、米国がムバラクを見捨てたことについて憤懣やるかたないものがありましたが、その後は、モロッコとヨルダンというスンニー派、保守の2王国との協力に活路を見出そうとしたのでしょう。それは、適切な選択であると言ってよいでしょう。
モロッコは、ほとんど日本と同じくらいの歴史を持つ王国であり、オスマン・トルコ時代も、帝国主義時代も王国を維持してきました。したがって、その行政、軍隊にも、自らの伝統があり、かつて、コンゴ動乱に際してアフリカ諸国が出兵したとき、近代軍隊らしい機能を果たしたのはモロッコ軍だけだったと言います。
しかも、政体はかなり進んだ立憲君主政体であり、また、ユダヤ人にも寛容であり、中東政策における米国のパートナーとするに適した国です。ただ、地理的に西に偏りすぎているために、今までは中東政治に直接関与して来なかったのですが、サウジがこれを受け入れ、経済援助をするということならば、米国にとっては歓迎すべき動きでしょう。
そして、日本とモロッコとは、旧世界の極東と極西に位置する君主国として友好関係があり、今後日本が中東政策について対話をする相手として、モロッコは適当な国であると思われます。
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