江戸絵画の中でも、一際華やかな存在感を放つ琳派。そして“奇想の画家”として独自の境地を開いた伊藤若冲(じゃくちゅう)。時代を経た今でも人々を魅了し続ける、これらの作品を集めた美術展が開催される。京都・細見美術館の開館15周年記念特別展で、所蔵するコレクションから約60点の作品を紹介する。
江戸中期 細見美術館所蔵
会場では、琳派の源流となる京都を拠点とした俵屋宗達(たわらやそうたつ)、尾形光琳をはじめ、光琳の影響を受け江戸琳派の創始者となった酒井抱一(ほういつ)、その弟子の鈴木其一(きいつ)の作品を展示。宗達の「伊勢物語図色紙『大淀』」や光琳の「宇治橋図団扇」、抱一の「桜に小禽(しょうきん)図」、其一の「水辺家鴨(あひる)図屏風」など、それぞれの代表作を通して、江戸初期から後期にかけての琳派の系譜をたどる趣向となっている。
一方、若冲作品では、最初期に描かれた傑作「雪中雄鶏図」をはじめ、ニワトリの躍動的な姿を水墨で生き生きと表現した「鶏図押絵貼屏風」、ネズミの宴の様子をほのぼのとしたタッチで描いた「鼠婚礼図」などを公開、その画風の奥深さを改めて知ることができる。
江戸絵画の至宝─琳派と若冲─
<開催日>2013年1月3日~3月10日 *会期中、展示替えあり
<会場>京都市左京区・細見美術館(市営地下鉄東西線東山駅下車)
<問>☎075(752)5555
http://www.emuseum.or.jp/exhibition/next_exhi.html
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