世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年11月18日

»著者プロフィール

 中国が核搭載可能な極超音速の滑空体の実験を行ったことが伝えられているが、10月23日付の英Economist誌が、この兵器の特質を解説し、中国の核兵器の分野での野心が加速度的に大きくなっていると指摘している。 

DancingMan / iStock / Getty Images Plus

 中国による新たな極超音速兵器の実験は英Financial Times紙が初めて報道した。情報源は米国の情報当局のようである。同紙によれば、 実験の日取りは7月27日であるが、8月13日にも同様の実験が行われたとしている。 
 
 この兵器は、ロケットで核搭載可能な滑空体を載せた宇宙船(orbiter)を地球を回る低高度の軌道に投入する、地球を回る軌道のどの時点て滑空体が切り離されたかは明らかでないが、滑空体は滑空して(不規則な軌道を描く)大気圏に突入し、地上の目標に命中する。目標がどこに設定されていたのかも不明であるが、Financial Times紙によれば、実験では目標を「約24マイル」外れたとされている。 

 つまり、宇宙船(orbiter)と滑空体(glider)を組み合わせた新たな兵器である。その意味で大気圏内を飛行する極超音速滑空体(hypersonic glide vehicle=HGV)と区別されるものである。

 先月、米国の空軍長官ケンドールは中国は「宇宙から世界中を攻撃する潜在力」を含め巨大な技術的進歩を遂げたと述べた由であるが、理論的には、中国が開発中のこの兵器は北に向いている米国のミサイル探知とミサイル防衛網をかいくぐり南から米国を攻撃出来ることになる。 

関連記事

新着記事

»もっと見る