2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年11月29日

異例とされる米中共同声明

 COP26で注目されたのは米中両大国の動きである。米中両国はCO2の排出量で世界の1、2位を占める。BPの資料によれば、20年でCO2の国別排出量(単位百万トン)は、1位が中国9893.51で、2位が米国4422.25、3位がインド2298.19、4位ロシアが1431.56、5位日本1026.85となっている。 

 その米中が今世紀中の気温上昇を1.5度に抑えるために協力することで合意し、今後10年間の気候変動対策の協力強化を盛り込んだ共同声明を発表した。これは異例なことと指摘されている。 

 バイデン大統領は、中国との対立が深まる中でも、気候変動については、実効性のある対策には中国の参加が不可欠と考え、協力を模索してきた。一方の中国も、気候変動対策を米中間の緊張緩和の足掛かりとしたい考えだったようである。ただし中国は発展途上国としての立場を強調し、米国の支援を求めるものと思われる。 

 気候変動は日本にとっても重要な課題である。我が国自身の対策を強化しつつ、気候変動問題に対する国際協力の推進に今後共引き続き取り組むべきである。

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