2022年11月28日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年11月29日

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 米国の政治学者ウォルター・ラッセル・ミードが、11月15日付のウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)に、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は空虚な儀式のようなものだったと厳しく批判する論説を書いている。 

LvNL / Yuliya Baranych / iStock / Getty Images Plus

 気候変動問題について世界には強い危機感がある。 

 2015年の気候変動に関するパリ協定では、長期目標として世界の平均気温の上昇を産業革命以前より1.5度以下とすることが合意された。1.5度以上になると、地球は今まで以上に極端な酷暑にさらされ、それに伴う異常気象や森林火災、海面上昇などにより、地球の生態系に甚大な被害が起こると予想された。 

 世界の平均気温上昇を1.5度以下に抑えるためには、世界全体の温室効果ガスの排出量を30年までに、10年比で45%削減する必要があり、さらに今世紀半ばまでにほぼゼロにしなくてはならない。 

 COP26は11月13日夜(日本時間14日早朝)成果文書として「グラスゴー気候協定」を採択した。二酸化炭素(CO2)排出量の約4割を占める石炭の使用制限について、気候関連合意文書として初めて言及している。 

 しかし、COP26のすべての約束を実施したとしても、1.5度以下の目標は達成できず、世界の平均気温は今世紀末までに2.4度上昇すると試算されている。 

 従って、COP26についての評価は一般に厳しく、論説はCOP26を政治的ショーのようなもので、空虚な儀式であったと酷評している。気候変動のような複雑な問題について早急な成果を期待するのは困難であり、COP26は少なくとも気候問題についての関心を一層高めたと評価できるのではないか。 

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