最近、主流派メディアにおいて、バイデン大統領の年齢を問題として再選出馬に疑問を提起する論調が目に付くようになってきた。
例えば、ニューヨーク・タイムス紙のコラムニスト、ブレット・スティーブンスは、昨年12月14日付けの論説‘Biden Should Not Run Again — and He Should Say He Won’t’において、バイデン大統領は再選のために出馬するべきではなく、そのことを直ぐにでも表明すべきである、と論じている。
また、フィナンシャル・タイムズ紙のコラムニスト、エドワード・ルースも、‘The awkward issue of Biden’s age’(バイデンの年齢という気まずい問題)と題する1月6日付の論説で、上記スティーブンスほど明確にではないが、バイデンの年齢の問題を取り上げ、彼が2024年に向けて後継者を育成することが責任ある態度であると論じている。
24年に82歳となるバイデンが再選を狙うのは無理だと思われる。それ以上に米国のためにはならないと思われる。
バイデンの公の場での出来には不揃いがある。記憶力の減退のためか、文章が途中で繋がらず意味不分明となるのは選挙戦の時からの現象である。より深刻なのは、重要な政策を正確・精緻な言葉遣いで語れないのではないかという不安である。
彼は、米国が台湾を軍事的に防衛することにコミットしているように述べたが、直後に当局者が従来の政策に変更はないと軌道修正をしたのはその例である。このような例は、中国とロシアに対峙する上での彼の言葉の重み、判断の的確性、精神的強靭性に疑問を抱かせる恐れがあろう。
上記スティーブンスの論説は、直ぐにでも2期目に出馬しないと表明することをバイデンに求めている。同氏は、そうすべき理由の一つとして、バイデンが居座ることで、潜在的な後継者、とりわけ政権内にあるジーナ・レイモンド商務長官、ピート・ブティジェッジ運輸長官、ミッチ・ランドリューインフラ担当大統領補佐官らが出馬に向けた動きを封じられることにあると指摘する。これは、再選不出馬を表明してレームダックになることよりも不都合であるという。