スティーブンスは、もう一つの理由として、バイデンは再選を目指さないと表明することで、むしろ、民主党に熱意と関心を注入することになり、再選の心配をせずに国の緊要な問題に没頭できるようになるだろうと指摘する。同氏によれば、それによりバイデンは「弱体化するどころか、たちまちステーツマンのようになるだろう」。
バイデンの賢明な判断を待つ
スティーブンスが指摘している事柄は、それぞれ理由のあることである。24年に出馬しないであれば、いずれかの時点で不出馬を表明せざるを得ない。しかし、当のバイデンは、昨年12月22日のABC・TVとのインタビューで「健康であれば再度出馬する」と述べている。
民主党内には、バイデン不出馬の場合はどうするのかというざわめきが早くもあるようである。年齢や健康の問題でバイデン降ろしのような事態になることは望ましくない。ここはバイデンの賢明な判断に待つということであろう。
それは、中間選挙後の政治情勢を睨んでの判断にならざるを得ないのではなかろうか。リンドン・ジョンソンが1968年3月31日に再選不出馬を表明したのはニューハンプシャー州の予備選挙の後であるが(それ以来、再選を求めなかった大統領はいない)、仮にバイデンがそのようなタイミングで再選不出馬を表明するとすれば、如何にも遅すぎるであろう。