2022年7月6日(水)

2021年回顧と2022年展望

2021年12月27日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 バイデン政権にとって2021年は、〝トランプ後遺症〟との悪戦苦闘の1年だった。だが、いまだそこから抜け出せないまま、来る年11月には試練の中間選挙が待ち受ける。「Happy New Year!」どころか、極めて厳しい新年となりそうだ。

バイデン大統領による政権運営が進められている21年10月になっても、トランプ氏支持者が大統領選の監査要求へ、ミシガン州に集結した(ロイター/アフロ)

 〝トランプ後遺症〟とは、1月20日にスタートしたバイデン政権が、いまだに大衆層に人気の根強い偏狭なトランプ主義の抵抗にあい、思い通りに政策運営ができない状況をさす。「Post Trump Syndrome」(PTS)とも呼ぶべき症候群にほかならない。

 21年はまさに、バイデン大統領にとってこの「PTS」に振り回されてきた1年だった。

 具体的症状を挙げれば、

①今日もなお、トランプ氏本人が在野にありながら、前回選挙での敗北を根に持ち、ネットメディア通じ、現政権の打ち出す政策や構想を事あるごとに批判し続けている。

②最近の世論調査でも、全米共和党支持者のうち、70%近くがトランプ氏の主張に同調、次期大統領選挙への同氏再出馬を支持し、バイデン氏の存在を脅かしている。

③米議会とくに下院において、共和党議員の7割が、バイデン大統領を当選させた20年大統領選挙を否認、去る1月6日、連邦議会乱入・占拠事件で死傷者100数十人を出す惨事を招いた過激なトランプ支持グループの狂気じみた犯行を「正当」と認めている。

④ケブン・マッカーシー下院院内総務を筆頭とするこれら多数の共和党議員のほとんどが、バイデン政権がとりまとめた社会福祉充実、景気浮揚策などに終始反対し続けている――などがある。

コロナ対策でも立ちはだかるトランプ支持者

 さらにバイデン政権にとって悩ましいのは、いぜん全米国民にとって最大関心事となっているコロナ禍対策だ。

 これまで感染者総数5000万人、死者80万人以上という世界最悪事態を招いていたアメリカも、一時は小康に向かうかに見えたが、今また新種のオミクロン株の出現で第5波の深刻な蔓延が懸念され始めている。

 1日当たり感染者数も全米で約20万人と再び増え始めており、とくに中西部諸州では重症者収容施設の病床不足が深刻化してきた。

 このため政府としては、これまでのような爆発的再拡大に至る前の対応策として、新治療薬の早期開発と普及、ワクチンの第3回追加接種、重症者受け入れ施設の拡充などのほか、一般市民に対するマスク着用、外出自粛、ソーシャルディスタンス確保などの徹底を急ぐ方針だ。

 ところが、こうした呼びかけには、トランプ支持者たちが立ちはだかっている。

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