米国でも農業生産者は高齢化
例えばジョン・ディア社ではトラクター、耕運機などに次々にEVモデルを導入、さらに自動運転には数年前から取り組んでいる。米国のように広大な農地を少数の人数で管理する場合、自動運転の導入が作業の効率化に大きく貢献しているのだ。米国の農業就業人口の平均年齢は55歳、後継者や技能スタッフ不足に悩んでいる現状は日本と同じだ。
同社の大型トラクターの場合、自動運転を行うと同時に各種データを運転席あるいは遠隔でリモートでも確認でき、搭載されているAIによって作物と雑草を見分け、雑草だけに除草剤を撒く、あるいは作物だけに散水する、といった作業を自動的に行うことができる。
一方、農業の工業化という面で注目を集めているのが韓国のn.thing社だ。ここは大規模な工場での完全管理された野菜などの生育を行っている。すべてが室内での水耕栽培で、温度湿度管理などが徹底して行われ、天候に左右されることなく安定した作物の供給が出来る、としている。こうした都市型農業も以前から少しずつ見られ始めているが、まだ大規模で成功している企業は少なく、今後さらに注目を集めることになるだろう。