基礎を学び、国家資格を取り、お店で技術と接客術を高め、必要なスキルを学び、顧客と技術者に認められて初めて仕事に繋がるスタイリストの厳しい世界での経験をもとに、トリミングサロンを運営しています。
「トリマーは指名が増えて初めて一人前、その為の努力は惜しむべきでない」。スタイリストとしてのトリマーをそう語ります。オーナーはまた、カラーリングやドレッドなどといった人間のスタイルを犬に応用した技術を伝えるだけでなく、サービスに必要なPCやペットの撮影、接客などのスキル向上のための講座を行いトリマーの育成を行っています。
美容師の経営理念をペットに転換したビジネスモデルと言えるでしょう。
ペットとの絆を重視したトリミング
トリマーとしての見識を深めるために、動物病院、繁殖販売、ショップでの経験を生かしペットとの絆を重視したサロンがあります。
http://www.d-place.jp/index.html
「犬に負担を掛けない、優しいトリミング」を心がけているというオーナー。アロマの香る店内ではゲージを使わない預かりや、人間も使えるシャンプー等のケア用品、おやつ、フード、手作り食材なども扱っています。トリミングのサービスだけでなく、普段からの食事やケアをもアドバイスする事で飼い主とペットが健康で長生きできるよう指導もしています。「ストレスになることを考えて敢て送迎はしていない」と、トリミングサロンのサービスとしては珍しいと思える発言もありました。全てはオーナーの経験と思いからのコンセプトです。定着するまでは地域の飼い主になかなか受け入れられなかったそうです。現在では高齢になったお年寄り犬も定期的に通ってくれるようになり、飼い主と犬の絆を繋ぐお店のコンセプトは成功したと言えるのでしょう。
また、同様の思いを持つトリマー仲間と次なる活動も始めています。
http://www.cinderella-project.org/
業界で働く専門職が始めた動物愛護の活動です。
過去にも同じような活動を行う業者はありましたが、多くは繁殖・販売側からのアプローチのため継続できている物はごく少数です。動物保護(愛護)活動は、発起人の思い入れや思惑などの感情が根底にあります。これを冷静に社会に適応させることが出来ない場合、内部分裂や崩壊といった結果になってしまう例を多く見てきました。
トリマー発信の今回の活動にはこの轍を踏ませないよう、当方も見守っていきたいと考えます。