2024年11月22日(金)

勝負の分かれ目

2022年4月5日

 そして勝てなければ、チームのムードも徐々に悪くなり、選手たちも一枚岩になることが難しくなってくる。おそらく近々にも訪れるであろう〝負のスパイラル〟にハマり込みそうになる時、新庄監督がいかにして食い止めを図り、チームを再び開幕前のオープン戦の時のような上昇気流に再び乗せることができるか。

 プロ野球界では「負けが込んだ時こそ指揮官の真の手腕が問われる」と言われるが、新庄監督にも同様のターニングポイントが到来することになりそうだ。

見せて欲しい新庄流野球の真骨頂

 行き当たりばったりの感性だけで采配しているのではないか――というような指摘も〝ガラポン打線〟を例に聞こえてくるが、まさかそこまで新庄監督は適当にやっているわけではあるまい。新庄監督は現役時代に日本のプロ野球で阪神タイガース、日本ハムとセ・パ両リーグのチームに在籍し、メジャーリーグでもニューヨーク・メッツ、サンフランシスコ(SF)・ジャイアンツでプレーした。SFジャイアンツでは日本人選手で初のワールドシリーズに出場し、あのバリー・ボンズ氏にも認められた野球センスの持ち主である。

 今までもさまざまな大物OBや球界の有識者から「そういう姿を絶対に見せないが、実は野球をよく知っている人」という評価を何度も耳にしてきた。その新庄流野球の真価をぜひ見せてほしい。

 新庄ビッグボス率いる日本ハムが逆風を跳ね返し、チーム再建への長期的ビジョンも見据えつつ再び這い上がっていく。人知れずかなり難しい操縦を任され、苦難の道を乗り越えようと戦い続けている新庄監督の姿には世のビジネスパーソンも注目したいところだ。

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