危機前から起きていた需給の逼迫と特定供給源への依存
もう一つの共通点として、第一次石油危機とウクライナ危機では、危機の前から国際エネルギー需給が逼迫しエネルギー価格が高騰していたこと、消費国がエネルギー輸入依存と特定供給源への依存(第一次石油危機の場合は中東依存)にあったことがある。
第一次石油危機が契機となって、先進国はエネルギー安全保障政策を強力に推進し始めた。それと同様、今回のウクライナ危機で、主要消費国において再びエネルギー安全保障政策強化が最重要課題となっている。
特に、ロシア依存度が高く、万一の供給支障・途絶発生の際の打撃が大きくなる欧州で、これまでにない強力なエネルギー安全保障対策が実施されようとしている。欧州連合(EU)は……
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ロシアのウクライナ侵攻は長期戦の様相を呈し始め、ロシア軍による市民の虐殺も明らかになった。日本を含めた世界はロシアとの対峙を覚悟し、経済制裁をいっそう強めつつある。
もはや「戦前」には戻れない。安全保障、エネルギー、経済……不可逆の変化と向き合わねばならない。これ以上、戦火を広げないために、世界は、そして日本は何をすべきなのか。