2024年11月22日(金)

バイデンのアメリカ

2022年5月30日

 その〝成果〟が早くも現れ始めている。

 米韓首脳会談直後の26日、読売新聞は、尹政権が対日改善に向けて早くも動き出したことを報じ、「韓国政府関係者」の話として、朴振外相が6月に初訪日し、林外相と会談することを明らかにした。そして、尹大統領と岸田文雄首相との直接首脳会談の地ならしをするという。

 もし、伝えられる通り、今後、日韓両国首脳間の直接対話が実現し、それが恒例化することになれば、関係改善に向けての大きな一歩になることは間違いない。

一筋縄ではない韓国の「歴史問題」

 ただ、それをもって両国関係の劇的改善につながる保証はどこにもない。

 「歴史問題」をめぐる対立はいぜん根深く、論理と理性だけで解決できるものではない。

 また、米韓関係についても、日米韓3カ国が安全保障、経済戦略面で結束して中国に対峙するという「バイデン・ドクトリン」を尹大統領が唯々諾々と受け入れるには、国内事情からみても、時期尚早だろう。

 なぜなら、歴史的に朝鮮民族は、中国明王朝、清王朝時代から中国を「宗主」として仰ぐいわゆる「慕華思想」が根強く国民生活の中にしみ込んでおり、中国に背を向け米国の言いなりになることに抵抗を感じる人も少なくないからだ。

 しかし今、とくに韓国側に求められるのは、中国習近平体制のような「1党独裁」の専制主義に与するのではなく、いかに自由主義陣営の結束に協力していくか、という緊急性の高い課題なのである。そのためにも、日韓両国間にからむ〝歴史のトゲ〟は早急に取り除く必要がある。

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