2022年8月12日(金)

ザ・ジャパニーズ3.0(昭和、平成、令和) ~今の日本人に必要なアップデート~

2022年6月2日

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桂木麻也 (かつらぎ・まや)

インベストメントバンカー

カリフォルニア大学卒業・内外の投資銀行に20年超の勤務経験を有する。クロスボーダーのM&Aに造詣が深い。著書に『ASEAN企業地図』(翔泳社)、『「選択肢」を持って「人生を経営」する』(ウェッジ)。

 リスクに対する姿勢、自分の立場にバイアスを持たず物事をニュートラルに見る姿勢。これらはOpportunityを見出すための基本能力であろう。

 Opportunityを見出す力を持ち、そのOpportunityに対して具体的にアクションして初めてリターンが得られる。わが娘に起こっていることがアメリカンドリームであり、それに類似するジャパニーズドリームに滅多にお目にかからないのは、ひとえにOpportunityの差である。しかしそれは日本にOpportunityが存在しないのではなく、Opportunityをそれとして認識する力がないのである。これは今後の日本の国力にも影響する大切な能力であり、教育界においてもぜひ研究を開始してほしいものである。

進路選択・指導にも大きく関わる

 最後に、娘が渡米する際のエピソードを紹介して今回のコラムを締めくくりたい。

 実は彼女は高校2年の時に交換留学生に選ばれ、ユタの高校で1年間学ぶ機会を得た。留学期間はあっという間に過ぎ、一旦帰国するも米国の暮らしが忘れられず、日本の学校を退学して交換留学先の高校に正規の生徒として再入学した(※ 巻末注参照)。

 退学に際して、担任や進路指導の先生から随分反対された。日本では中卒扱いになり、日本の大学を受験する場合には大検が必要になるかもしれないこと。現地の大学に進む場合でも、学校名によっては日本の大企業の就職には不利になるかもしれないこと。日本の高等教育と、その先にある就職の機会を棒に振るのはリスクであること、等々。

 自らの優位性に対してニュートラルになり、リスクの先にあるものをOpportunityと捉える。Opportunityを認識する能力が所与になった世界では、進路指導も相当変わるに違いない。

※ 娘はアメリカ生まれで米国のパスポートを所有している。よって米国人として現地の高校に入学でき、大学時代もアルバイトの制約はなかった。

  
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