2022年6月25日(土)

ザ・ジャパニーズ3.0(昭和、平成、令和) ~今の日本人に必要なアップデート~

2022年6月2日

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桂木麻也 (かつらぎ・まや)

インベストメントバンカー

カリフォルニア大学卒業・内外の投資銀行に20年超の勤務経験を有する。クロスボーダーのM&Aに造詣が深い。著書に『ASEAN企業地図』(翔泳社)、『「選択肢」を持って「人生を経営」する』(ウェッジ)。

 今回は、米国の大学に留学をしていた日本人の女の子の話からはじめよう。

 彼女は、ユタ州の小さな町にある公立のカレッジに通っていた。ありがちな話であるが、彼女は生活費を稼ぐために、地元のレストランでウェイトレスとしてアルバイトを始めた(※ 巻末注参照)。人当たりが良く気の利く彼女は、多くのお客さんから気に入られ、たくさんのチップを稼ぐようになった。

 その様子を見た店長は、彼女をウェイトレスのヘッドにし、他の従業員の接客スキル向上の教育係に任命した。接客に加え、彼女は日本人ならではの視点で、店のオペレーション上のさまざまな問題点を店長に指摘し、その改善策を提言した。

 店長はこれをオーナーに報告。感心したオーナーは、彼女を業績の芳しくない姉妹店の副店長に抜擢した。そこでも実績を上げた彼女に対し、オーナーは全幅の信頼を寄せ、10月にオープンする新店の店長にすると決めた。

 彼女はこの5月に大学を卒業したのだが、請われる形でオーナーの右腕となった。つまり就職したのである。今は10月の開店に向け、その準備に忙しい日々を送る。

 オーナーはさらに飴を用意しており、新店を軌道に乗せたらMBA取得のための学費を出してやるという。さらに驚くべきことに、将来的には自分の株の一部を譲渡しないでもないという話までしはじめたという。

(RomoloTavani/gettyimages)

日本人女性を高待遇するオーナーの狙いは?

 アメリカンドリーム!

 この話を聞いて、すぐにこの言葉が思い浮かんだ。こんな美味い話が世の中に存在するの? ホラ話ではないのか? 読者の皆さんはそう思うかもしれない。実際、そう思われても仕方がないような出来過ぎの話である。

 しかしこれは実話なのだ。そしてこれは他人ではなく、わが娘に発生している現在進行形の話なのである。

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