政府・日銀はいつまで
「見ないふり」をするのか
最も分かりやすいのは①だが、この選択肢は4月28日の金融政策決定会合や日銀総裁会見を踏まえる限り、ほぼ全面的に否定されている。4月会合で黒田東彦総裁は「粘り強く金融緩和を続ける」と言い続けた上で、現行枠組み維持を前提として指値オペ(日銀が指定した利回りで国債を無制限に買い入れる措置)を毎営業日行うことが決定された。どちらかといえば緩和強化で応戦しており、「為替市場との全面対決」を選んだ格好だ。しかし、その日の会見で黒田総裁は「過度な変動はマイナスに作用する」とも述べ、既に「悪い円安」論を唱えていた鈴木俊一財務相の見方に寄せた感もあった。今後、止まらない円安に耐えかねて日銀が何らかの手を講じなければならなくなる可能性は十分考えられる。
具体的には何が考えられるか。イールドカーブコントロール(YCC)における誘導目標金利の短期化などが取りざたされやすいが、「次の一手」に対する催促相場を確実に断ち切りたいならば、……
◇◆◇ この続きを読む(有料) ◇◆◇