2022年6月28日(火)

都市vs地方 

2022年6月23日

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吉田浩 (よしだ・ひろし)

東北大学大学院 経済学研究科教授

高齢経済社会研究センター長。1995年一橋大学大学院博士課程満期退学、97年東北大学大学院経済学研究科助教授、2007年より現職。会計検査院第9代特別研究官、経済企画庁経済審議会特別委員も歴任した。著書に『男女共同参画による日本社会の経済・経営・地域活性化戦略』(河北新報出版センター)、『厚生労働統計で知る東日本大震災の実状』(統計研究会)など。

投票率を高めることの本当の意味

 上記で問題とした政府支出には、政府の裁量の余地のないもの(シビル・ミニマムや義務的な経費)も当然に含まれる。また、予算は限りあるため、投票率が上がると際限なく予算配分が高まるというものでもない。しかし投票率が高い地域の政府支出の他地域との差を「投票による我田引水である」と評価するか「民主主義がある程度機能している」と評価するかは議論の分かれるところであろう。しかし、投票率にかかわりなく恣意的な裁量によって予算の地域間配分が決まるようなことがあってはならないのは言うまでもない。

 新しい国勢調査の結果に基づいていわゆる選挙区割りの「10増10減案」が論議を呼んでいる。これは有権者総数によって判定した、1票の格差であり、すなわち投票率100%を想定した場合の1票の重みである。有権者数と議席配分の関係も重要であるが、投票に行かないことは有権者自ら実質的な1票の重みをゆがめることにもなる。

 特に、若者・現役世代は自分の払った税金の使い道がどのようになっているかの観点からも、投票に行ってほしい。

(本稿に示された推計結果は、「地域別の投票率の差異を数字で見える化するとしたら」という仮説に基づいたものであり、確定的な結果を示すものではない。本稿中の記述は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織、関連する団体の意見を代表するものではない)

  
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