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2021年10月13日

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島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

中部圏社会経済研究所研究部長

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。2015年4月から現職。

 今月4日に臨時国会が召集され、岸田文雄自民党新総裁が第100代内閣総理大臣に任命された。新総理は、会期末の14日に衆院を解散し、第49回衆議院議員総選挙は今月19日に公示され、31日に投開票が行われる予定だ。

(Sergey Tinyakov/gettyimages)

 選挙に際しては、毎回、若者の投票率の低さを嘆く声がメディアを賑わせるが、投票日はハロウィン当日でもあり、コロナ禍ではあるものの、ハロウィンを優先する若者も多いと思われ、きっと今回も同様だろう。

時代や衆参を問わず見える世代間の投票率傾向

 図1は2017年10月12日に行われた第48回衆議院総選挙の世代別の投票率を示したものである。

 総じてみれば、年齢が若いほど投票率が低く、加齢とともに投票率が高くなり、70歳代前半あたりでピークを付け、それ以降は低下する傾向にあることが分かる。実は、こうした年齢別投票率の動きは、時代や衆参の別を問わず、同様の傾向がみられる。

 確かに、若者の投票率は他の世代よりも低いと言えそうだ。ただし、18歳の投票率が50%程度であるのに対して19歳のそれは32%程度と18ポイントも急低下している。

 これは主に18歳の主力は高校生であるのに対して、19歳では、就職や進学で親元を離れ一人暮らしをしているものの、正当な理由がない限り違法とはいえ、住民票を移していない割合が高く、投票券が手元にないため。70歳を超えると投票率が低下するのは、健康上の理由であると考えられる。

 こうした若者の投票率の低さと、それに反比例する形での高齢者の投票率の高さから、「政治家が当面の選挙に勝つために、増える一方の高齢者の既得権を守ろうとする」シルバー民主主義の存在が指摘され、急速な少子高齢化が進む現状にも関わらず遅々として社会保障制度改革が進まないのは、シルバー民主主義の故であり、その結果が、世界で最も深刻な世代間格差に表れているとされる。

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