2022年6月30日(木)

都市vs地方 

2022年6月23日

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吉田浩 (よしだ・ひろし)

東北大学大学院 経済学研究科教授

高齢経済社会研究センター長。1995年一橋大学大学院博士課程満期退学、97年東北大学大学院経済学研究科助教授、2007年より現職。会計検査院第9代特別研究官、経済企画庁経済審議会特別委員も歴任した。著書に『男女共同参画による日本社会の経済・経営・地域活性化戦略』(河北新報出版センター)、『厚生労働統計で知る東日本大震災の実状』(統計研究会)など。

参議院選挙が6月22日に公示された(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 6月22日に第26回参議院議員選挙が公示され、7月10日に投開票される。これまでの連載では、子どもの幸福および高齢者の幸福の観点から都市と地方でどのような違いがあるのかなどを調べてきた。これらに続いて今回は、現役世代に焦点を当てて都市と地方を比べてみよう。

 選挙と現役世代の関係は納税額という観点から結び付けることが可能である。図1は、厚生労働省が実施した平成29年『所得再分配調査』の結果を年齢別に示したグラフである。

(出所)厚生労働省 平成29年『所得再分配調査』、第4表 世帯主の年齢階級別所得再分配状況より筆者作成 写真を拡大

 図1には、税引き前の所得にあたる「当初所得」が青色で示されている。市場で稼いだ労働所得が中心となる。次に、ここから税と社会保険料等の負担を差し引いたものが、赤色の「可処分所得」である。これを見ると現役勤労世代では、青色の折れ線と赤色の折れ線の乖離が大きく、その分、納税等の負担が大きいことがわかる。

 そして最終的に社会保障給付等の政府からの受給分を足したものが緑色の折れ線グラフ「再分配所得」である。当初所得と再分配所得は60歳から64歳で交差し、その後は年金受給等の受け取りが多いため、高齢世代では当初所得よりも可処分所得の方が大きくなっている。

 以上のことから、現役勤労世代は稼ぎの中から多くの税負担等を行っており、これが取り戻せるには退職後まで待たなければならないことになる。そこで、今回は納税負担の大きい現役世代にとって、自分たちが払った税負担が投票によってどれだけ地域の政府支出として還元されるであろうかを考えてみたい。

国政選挙における地方別投票率

 表1には、2021年の衆議院議員選挙の都道府県別の投票率が示されている。ここでは、地域性が色濃く出る小選挙区における投票率を示している。

(出所)「令和3年10月31日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調」 令和3年11月9日総務省自治行政局選挙部の都道府県別有権者数、投票者数、投票率(小選挙区)より筆者作成 写真を拡大

 投票率の最も高い県は山形県の64.34%であり、最も低い県は山口県の49.67%であった。この差は約15%ポイントであり、地域的な差異は大きい。全体的にみると投票率の高い地域は地方の県が多いように思われるが、東京都、大阪府などは中間レベルであり、下位の地域には青森県や山口県もランクされている。

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