2022年9月26日(月)

Wedge OPINION

2022年6月26日

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山添博史 (やまぞえ・ひろし)

防衛省防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室 主任研究官

ロンドン大学スラブ東欧研究所修士、京都大学人間・環境学研究科博士。2008年から防衛研究所勤務、英国在外研究なども経験。専門はロシアの安全保障、国際関係史。

NATOへの責任転嫁の狙いは?

 北大西洋条約機構(NATO)が悪いという説も、侵攻開始の過程を説明できない。2021年11月、ロシア軍はウクライナを取り囲むように兵力を配置した。そして12月から今年2月にかけて、ロシアはNATOに新規加盟停止などを要求し、米国は現実的なミサイル配備の議論や信頼醸成を提案することで応じ、ロシアも交渉を準備していた。しかし突然2月21日に、「ウクライナのネオナチ政権がロシア系住民に対するジェノサイド(大量虐殺)を行っている」と主張して、ウクライナ東部にある2つの「人民共和国」の独立を承認。それに基づき、2月24日にウクライナ全面侵攻を開始した。

 この流れは、ロシアが現実の安全保障問題に対処するために合理的に行動したというより、プーチン政権がウクライナの全面的支配を行うために「NATOの脅威」や「ロシア系住民対ネオナチ」という構図を利用してロシア世論を誘導している、と読む方が正確である。実際に各種世論調査でも、……

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Wedge 2022年7月号より
日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな
日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな

“人手不足”に喘ぐ日本で、頻繁に取り上げられるフレーズがある。「外国人労働者がいなければ日本(社会)は成り立たない」というものだ。しかし、外国人労働者に依存し続けることで、日本の本当の課題から目を背けていないか?ご都合主義の外国人労働者受け入れに終止符を打たなければ、将来に大きな禍根を残すことになる。

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