2022年9月28日(水)

2024年米大統領選挙への道

2022年7月12日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

銃規制を巡るバイデン支持者とトランプ支持者のギャップ

 現在、米連邦上院議員議席数は定員100に対して民主党・共和党50対50で拮抗している。今回の銃規制強化法案は共和党議員15人が賛成に回り、65対33で可決した。ただし、超党派による銃規制強化法案の成立は奇跡的だと言っても過言ではないだろう。

 というのは、共和党議員は銃規制反対のトランプ支持者の票に依存しているからだ。エコノミストとユーガヴの共同世論調査(同年7月2~5日実施)では、20年米大統領選挙でバイデン氏に投票した有権者の87%が「銃規制をより強化すべき」と回答した。約9割が銃規制強化に賛成したのだ。一方で、トランプ氏に投じた有権者は約2割に留まっている。

 トランプ支持者は銃規制に関して50%が「現状維持」、23%が「銃規制をより緩和するべき」と答えた。相次ぐ銃乱射事件にもかかわらず、約2割が「銃規制緩和派」である。

「60票ルール」対「51票ルール」

 今後、バイデン氏率いる民主党が新法案で除外された銃の購入年齢の引上げなどを含めた銃規制強化法案を議会に提出しても、成立させるのは困難だろう。テッド・クルーズ上院議員(共和党・南部テキサス州)などのトランプ派議員によるフィリバスター(議事妨害)に合い、審議入りを阻まれる可能性が高いからだ。フィリバスターを阻止するためには、上院で60議席の確保が必要である。民主党は10議席足りない。

 そこでバイデン大統領はフィリバスターに関するルール変更を行い、「60票ルール」ではなく、カマラ・ハリス副大統領の1票を含めた「51票ルール」で、今回除外された項目を含めた銃規制強化法案を成立させるのかに注目が集まる。

 人工妊娠中絶の権利を擁護するバイデン氏は、フィルバスターに特例を設け、中絶の権利のみに「51票ルール」を適用すべきであると述べた。エコノミストとユーゴヴの共同世論調査では、銃規制強化に関して40%が「60票ルール」、39%が「51票ルール」に賛成を示しており、世論は分断している。

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