2024年2月25日(日)

Wedge OPINION

2022年11月19日

ロシア・ラブロフ外相の「もちろんだ」発言

――著書『地球の呼吸はいつ止まるのか?』(ウェッジ)に、ソ連からのエネルギー輸入をめぐるサッチャー首相(当時)とシュミット西独首相(当時)の興味深いやり取りが記されている。1980年、ロンドンの西独大使館でのことだというが。

ハウエル 私もその場にいた。シュミット氏が、「ソ連から、天然ガスの日量14.5%を輸入している」といったのに対してサッチャー首相が驚いて、「危険ではないか。(供給を止められたら)大変だ」と問うと、シュミット氏は「契約に関して共産主義者たちは信用できる」と反論した。ロシアからの輸入量はその後も増え続け、ついに55%になってしまった。

 ラブロフ外相に「ロシアは天然ガスや石油を外交的な武器に使うかと」聞いたことがあるが、「もちろんだ」という答えだった。「これはいけない」と思ったけれど、EUの人たちはそうは思わなかった。今は遅きに失しているが。

ウクライナ戦争の行方 「ディール」はあるのか?

――ウクライナ戦争の帰趨はどうなるか。ロシアに強硬だったジョンソン首相が退陣したことで、英国の方針が変わるのか 

ハウエル 結末は、わからない。ゼレンスキー大統領は「ロシアはクリミアを含むウクライナから出ていけ」と主張し、バイデン大統領やこれまでの英国首相も、言葉のうえだが、支持している。英国が武器供与を続けられなくなったり、プーチン大統領が「これ以上兵士を動員できない」と考えたりしたら、ゼレンスキー大統領もそろそろ終わりかと考えるだろう。米英両国の間では、秘密の会合や交渉が行われているのではないか。

 やはりドネツク、ルガンスクをめぐってどこかでディール(取引)ということになるだろう。双方が何とかしなければならないと納得した時に秘密交渉が行われることになる。欧米が引き続き、武器供与を続ける間はディールの話は出ないだろうが、へルソン奪還などという状況になれば別だ(インタビューはへルソンからのロシア軍撤退前に実施)。

 プーチン大統領の侵略に対して、驚いたことに、多くの国が東西の争いに巻き込まれたくないと考えた。中国なども、最初のうちは、「ロシアとの終わりのない友情」などといっていたが、最近少し違ってきた。習近平主席とプーチンとの電話会談も険悪な雰囲気で終わったといわれている。インドのモディ首相もプーチン氏との会談で「いまは戦争の時ではない」とはっきり伝えた。プーチン大統領自ら、世界がみな批判しているのだと知れば、希望の兆しがある。 


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