「やらなければいけないことはたくさんあったから、それをやってきただけ。リハビリもサボりながらやってきた」
大病をして、障害を負ったことで人生観が変わったのではないかと幾度も聞かれた。出口はその都度、「何も変化はありません」と答えてきた。
「どうせ誰もが死ぬ。それなら楽しまなければ損」
倒れた当初の1カ月間は、自分の身に何が起きたのかを理解するための時間だったという。だが、思考を巡らす日々においても、毎日食事をとり、眠ることができていたことに気がついた。
「結局、人間は動物なんだと思いました。動物だから病気になって回復しなければ死ぬだけです。70歳を超えたら、あとは運次第。どうせ誰もが死ぬのです。それなら楽しまなければ損です」
出口がこのような考えに至ったのは、……
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