2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年12月6日

 これらの措置が効果を発揮するためには、同盟国や関係国が結束して行動することが不可欠である。事柄の性格上調整は容易ではないが、米国も関係国との協議を辛抱強く進めるべきだ。米国の同調圧力は 10月の発表以降強まっていると言われる。

半導体装置シェア握る日本の東京エレクトロンとオランダのASML

 特に日本とオランダの協力が不可欠と見られている。半導体チップを別にすれば、半導体装置の世界市場を圧倒するのは米国のアプライド・マテリアルズ、ラム・リサーチ、KLA、日本の東京エレクトロン、オランダのASMLであると言われる。

 報道によれば、オランダが日米などとのまとめ役をやっている。今秋には米商務省関係者が訪蘭するという。11月14日のブルームバーグは、今年初めには関係国がワッセナー・アレンジメントの枠内での合意をしていたが、その後米国が対象範囲の変更を求めたので、交渉は頓挫したという。米企業も自分達だけが規制されることには不満のようだ。重大業界であり、企業間競争にも直接関係するので、調整の困難は想像に難くない。話合いの状況につき関係者の発言も非常に限られている。

 既に関係企業も対応に動いている。台湾のTMSC・ソニーなどによる大規模工場建設が熊本で急ピッチに進んでいる。11月15日、オランダのASMLは韓国華城に技術拠点を設けると発表した。先月中国での半導体製造工場による米技術の使用規制につき1年の例外認可を得たサムスンやハイニックスも、1年の猶予後の中国工場売却という不測事態をも検討せざるを得なくなっているとも報道されている。

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